日本人がアメリカで起業・会社設立するには?手順や必要な費用・ビザを解説
公開日:2026年6月15日
更新日:2026年6月15日

目次
- アメリカで日本人が起業する理由
- アメリカで起業・会社設立する方法
- アメリカで起業・会社設立するために必要なビザ
- アメリカで起業・会社設立するために必要な費用
- アメリカで起業・会社設立する際の注意点
- まとめ
このページのまとめ
- アメリカは起業を支援する環境が整っており、会社設立に挑戦しやすい
- アメリカで起業する際によく選ばれる会社形態は、C法人とLLC
- アメリカで起業するときの手続きは、州や会社形態などによって異なる
- アメリカで起業する際に必要なビザは、「E-2」「O-1」「L-1」のいずれか
- アメリカでは契約書の作成や訴訟リスクへの備えが重要
「アメリカで起業・会社設立をしたいけど何から始めたらよいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
アメリカで起業する際は、所在地とする州や会社形態を決定し、それに合わせた手続きを進めることが必要です。
本記事では、アメリカで起業する方法・流れ、設立にあたって必要な費用などを解説します。また、アメリカで起業するときに取得するビザの種類も解説するので参考にしてください。
海外で日本人が起業・会社設立をする場所として、アメリカを選ぶことがあります。
ここでは、アメリカで日本人が起業する主な理由について解説します。
経済規模が大きい
アメリカで日本人が起業する理由の一つは、アメリカが経済大国であることです。
国際通貨基金(IMF)のプラットフォームで公開されているデータ(2026年6月10日時点)によると、名目GDP(国内総生産)の世界ランキング上位10ヶ国とその金額は下記のとおりです。
| 順位 | 国 | 名目GDP(国内総生産額) |
| 1位 | アメリカ合衆国 | 32兆3,800億米ドル |
| 2位 | 中国 | 20兆8,500億米ドル |
| 3位 | ドイツ | 5兆4,500億米ドル |
| 4位 | 日本 | 4兆3,800億米ドル |
| 5位 | イギリス | 4兆2,600億米ドル |
| 6位 | インド | 4兆1,500億米ドル |
| 7位 | フランス | 3兆6,000億米ドル |
| 8位 | イタリア | 2兆7,400億米ドル |
| 9位 | ロシア | 2兆6,600億米ドル |
| 10位 | ブラジル | 2兆6,400億米ドル |
アメリカの名目GDPは約32兆3,800億米ドルと圧倒的に高く、世界第1位の経済規模を誇ります。アメリカで起業・会社設立をすれば、強固な顧客基盤を構築できるチャンスが広がります。
また、アメリカは単に市場が広いだけでなく、新しいサービスや革新的なプロダクトに対して対価を支払う意欲が高いユーザー層が厚いことも特徴です。アメリカの巨大な経済圏に乗せることによって、急速な事業拡大や巨額な利益の創出が期待できるでしょう。
アメリカの平均年収の金額や日本との差を知りたい方は「アメリカの平均年収の推移や中央値を紹介!日本との差や支出事情も解説」を参考にしてください。
参照元:国際通貨基金(IMF)-World Economic Outlook (April 2026) – GDP, current prices
スタートアップエコシステムが構築されている
スタートアップエコシステムが構築されており、日本よりも挑戦しやすい体制が整っていることは、日本人がアメリカで起業・会社設立に踏み切る理由の一つです。
アメリカ、特にシリコンバレーやニューヨークなどには、世界最高峰のスタートアップエコシステムが整っています。
ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家が数多く存在し、画期的なビジネスモデルだと認められれば創業初期から巨額の資金調達が可能です。また、失敗を容認し、経験を活かした次の挑戦を後押しするカルチャーがあるため、起業家はリスクを恐れずにイノベーションの創出に集中できます。
さらに、起業経験のあるメンターや法務・財務の専門家によるサポート体制も充実していることも、アメリカで起業しやすいポイントです。そのほか、優秀なITエンジニアやマーケターといった高度人材が市場に流動しており、チームビルディングがしやすい環境も整っています。
実力主義である
日本人がアメリカで起業・会社設立をする理由には、アメリカが実力主義であることが挙げられます。
アメリカのビジネス社会は、純粋な成果やプロダクトの価値で評価される、実力主義の傾向が強いです。たとえ新参者であっても、提供する価値が本物であれば大企業や有力なパートナーと対等に渡り合うことができます。自分の実力とアイデア次第で、市場のトップに躍り出ることができる可能性もあります。
渡米前にアメリカ人の国民性について理解を深めておきたい方は、「アメリカ人の国民性の特徴や背景を紹介!日本との違いや対処法も解説」の記事もご覧ください。
アメリカで起業・会社設立をするときの流れは、下記のとおりです。
- 会社形態を選ぶ
- 会社を設立する州を決める
- 事業計画書を作成する
- 法人登記を行う
- EIN(連邦雇主識別番号)を取得する
- アメリカの銀行で法人口座を開設する
- 各種ライセンスを取得する
ここでは、アメリカで起業・会社設立をする各プロセスにおいてやるべきことやその方法を解説します。
会社形態を選ぶ
アメリカで起業・会社設立をする際の第一歩は、自社の事業活動の内容や目的に合わせて適切な会社形態を選ぶことです。
アメリカの主な会社形態は「C-Corporation(C法人)」「Limited Liability Company(LLC、合同会社)」「S-Corporation(S法人)」「Sole Proprietorship(個人事業主)」です。
| 会社形態の種類 | 概要 | 課税の仕組み |
| C-Corporation(C法人) | 一般的な株式会社の形態。外国人や外国企業による設立が可能 | 法人税が課税される |
| Limited Liability Company(LLC、合同会社) | 会社の構成員が有限責任を負う会社形態。外国人や外国企業による設立が可能 | パス・スルー課税もしくは法人課税が適用される |
| S-Corporation(S法人) | 100人以下の株主からなる小規模な法人形態。外国企業が設立することはできない | パス・スルー課税が適用される |
| Sole Proprietorship(個人事業主) | 個人が事業を行う形態(法人格はなし) | 事業主個人の所得として課税(法人税はかからない) |
日本人がアメリカで起業・会社設立をする場合の一般的な形態は、C法人あるいはLLCです。
C法人
C-Corporation(C法人)とは、アメリカにおける一般的な株式会社の形態であり、事業目的・発行する株式の数と価値・取締役や役員といった基本的な枠組みを持つ包括的な法人形態です。
C法人は外国人や外国企業でも設立できます。
C法人を設立する際は、設立する州を選び、州政府に対して定款を提出して登記を行うことが必要です。また、法的通知の受領窓口となる登録代理人を州内で指定する義務があります。そのほか、設立手続きの一環として、会社の意思決定方法や役員の義務などを定めた社内規程である付属定款を作成することが推奨されています。
C法人では、会社の利益に対して法人税が課税されます。「パス・スルー課税(利益を個人の所得として申告する方式)」の対象にはならないため、法人の利益に対する課税と株主への配当に対する個人所得税の二重課税が発生する形態です。
LLC
Limited Liability Company(LLC、合同会社)とは、会社を構成するメンバーが有限の責任を負う会社形態で、会社の構成や運営方法を比較的自由に定めることができる、柔軟な運営が大きな特徴です。
LLCは、外国人や外国企業による設立が可能です。
LLCの設立にあたっては、州政府に組織定款を提出し、登録代理人を指定することで登記を行います。また、意思決定の方法や各メンバーの義務、権限、責任などを詳細に定めた運営契約を作成することが推奨されています。
LLCは税務上、パス・スルー課税あるいは法人課税かを選択することが可能です。
メンバーが2人以上の場合はパートナーシップとして扱われ、「パス・スルー課税」となります。もし法人として課税されたい場合は、所定の書類をIRSに提出することで、法人課税を選択できます。
S法人
S-Corporation(S法人)とは、100人以下の株主で構成される小規模な法人形態です。
アメリカに居住していない外国人は株主になることができないため、外国企業や外国人による設立はできないとされています。
S法人の場合は法人自体には課税されず、利益や損失が株主に直接割り当てられて個人の所得として課税される「パス・スルー課税」が適用されるため、法人税と個人所得税の二重課税を回避できるのが特徴です。
個人事業主
Sole Proprietorship(個人事業主)とは、個人が事業を行う形態を指し、法人格はありません。
個人事業主にはアメリカに居住していない外国人でもなることが可能ですが、事業で生じた債務や法的責任に対して、事業主個人が無限責任を負うことになります。比較的手軽に始められますが、無限責任を負うリスクがある点に留意が必要です。
個人事業主は会社ではないため法人税はかからず、事業主個人の所得として課税されます。
会社を設立する州を決める
アメリカでは会社法が連邦法ではなく州ごとに定められているため、アメリカで起業・会社設立をする際はどの州で法人登記するかを選択する必要があります。
事業を実際に行う州で設立するのが一般的ですが、デラウェア州のように会社法や税制面で企業に有利な州に設立し、実際の事業拠点がある州には「州外法人」として登録して事業を展開するケースも多くみられます。
事業の利便性や各州の企業法制、税制の違いなどを総合的に比較検討して、適した設立州を決定しましょう。
事業計画書を作成する
アメリカで起業・会社設立をするときには、事業計画書を作成することが推奨されています。
事業計画書の提出が求められる場面は、ビザ申請を行うときや法人用の銀行口座を開設するとき、賃貸オフィスの契約審査を行うなどです。事業計画書の内容が、ビジネスの信頼性の審査材料としてチェックされます。
また、綿密で説得力がある事業計画書は、事業の立ち上げやその後の運営にも役立ちます。
作成した事業計画書によって、投資家に「投資に釣り合う価値があるビジネスである」ということを伝えることが可能です。資金調達やビジネスパートナー探しを円滑に進められるでしょう。
法人登記を行う
設立する州と会社形態が決まったら、州政府に対して法人登記の手続きを行いましょう。
たとえば、定款を作成し、発起人の署名を得て州務長官に手数料とともに提出します。また、法的通知を受け取る窓口となる登録代理人を州内で指定することが義務付けられています。
アメリカで起業・会社設立をするときの登記手続きは、州ごと・会社形態ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
EIN(連邦雇主識別番号)を取得する
会社の設立後、アメリカの内国歳入庁(IRS)から「EIN(連邦雇主識別番号)」を取得します。
EINは9桁の番号で、税務申告や銀行口座の開設、従業員の雇用など、事業を行ううえで欠かせないものです。
EINの申請は、IRSに対して「SS-4」というフォームを通じて提出を行います。
米国内に拠点がある場合はオンラインで取得できますが、米国外の外国法人の場合は電話やFAX、郵送などの方法で申請手続きを進めることになります。
参照元:アメリカ内国歳入庁(Internal Revenue Service, IRS)-Instructions for Form SS-4 (12/2025)
アメリカの銀行で法人口座を開設する
アメリカで起業・会社設立をし、実際にビジネスを稼働させるためには、現地の金融機関で法人名義の銀行口座を開設することが必要です。
法人口座の開設手続きを進めるためには、アメリカ内国歳入庁(IRS)に申請し、会社としての「EIN(連邦雇主識別番号)」を取得していることが必須条件となります。
事業活動における資金管理や従業員の雇用などに関わる重要なステップですので、法人登記とEINの取得が完了次第、速やかに口座開設手続きへと進みましょう。
各種ライセンスを取得する
アメリカで設立した会社の事業内容や所在地に応じて、営業に必要なライセンスや許認可を取得しましょう。
州や郡、市から一般的な営業許可を取得するほか、医療や金融、通信などの特定業種では連邦レベルでの許可も求められます。また、飲食店を運営する場合には、営業許可に加えて保健許可や酒類販売許可など、複数のライセンスを組み合わせて取得することが必要です。
業種によって要件が大きく異なるため、各自治体におけるルールを入念に確認してください。
アメリカで起業・会社設立をするために必要なビザは、主に「E-2ビザ(投資家ビザ)」「O-1ビザ(卓越能力者ビザ)」「L-1ビザ(企業内転勤ビザ、駐在員ビザ)」のいずれかです。
| ビザの種類 | 対象者 |
| E-2ビザ(投資家ビザ) | 条約締結国の国民であり、米国の事業に多額の投資を行った主要投資家。
またはその事業の効率的な運営に不可欠な管理職、役員、専門的なスキルを持つ従業員 |
| O-1ビザ(卓越能力者ビザ) | 科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツにおける卓越した能力の持ち主。
または映画やテレビ番組の製作において卓越した業績を挙げた人、ならびにそれらの活動の遂行に必要な補助的な業務を行う人 |
| L-1ビザ(企業内転勤ビザ、駐在員ビザ) | 管理職または役員であること、もしくは専門知識を有し、米国の会社でこれらのレベルのいずれかの役職に就く人 |
ここでは、アメリカで起業・会社設立をする際に取得が求められる3種類のビザについて解説します。
E-2ビザ(投資家ビザ)
アメリカでビジネスを始めるために多額の資金を投資する人が対象となるのがE-2ビザ(投資駐在員ビザ)です。
E-2ビザを取得するためには、投資先の企業が実体としてしっかりと運営されている商業企業であることが求められます。また、単に自分や家族の生活費を稼ぐだけでなく、アメリカの経済に大きな影響を与えるか、生計を立てる以上の十分な利益を生み出す事業である必要があります。
なお、銀行口座にある未確定の資金は投資とみなされません。事業を成功させるための具体的な投資行動と、事業を発展させる指揮を執ることが条件となります。
アメリカで本格的に起業・会社設立をする方に適したビザです。
参照元:
在日米国大使館と領事館-ビザサービス
US TravelDocs JAPAN-貿易駐在員・投資駐在員ビザ
U.S. Department of State(アメリカ合衆国国務省)-Treaty Trader & Treaty Investor and Australians in Specialty Occupations
O-1ビザ(卓越能力者ビザ)
O-1ビザ(卓越能力者ビザ)は、ビジネス、科学、芸術、教育、スポーツなどの分野で卓越した能力を持っている人、あるいは映画やテレビ製作で優れた業績を残した人を対象としたビザです。
アメリカで起業を目指す人のなかでも、自身のビジネス分野でトップクラスの実績やスキルを持つ場合、このO-1ビザが選択肢となる可能性があります。また、卓越した能力を持つ人の活動を遂行するために、不可欠な補助業務を行う人も対象に含まれます。
特別な才能やこれまでの顕著な実績を武器として、アメリカ市場で新たな事業に挑戦したい起業家にとって、注目すべきビザの一つだといえるでしょう。
参照元:
在日米国大使館と領事館-ビザサービス
US TravelDocs JAPAN-就労ビザ
L-1ビザ(企業内転勤ビザ、駐在員ビザ)
L-1ビザ(企業内転勤ビザ、駐在員ビザ)は、日本など米国外にある多国籍企業の従業員が、アメリカ国内の親会社や子会社、支社などへ一時的に転勤する際に必要なビザです。
アメリカで新たに会社を設立し、日本の拠点から赴任する形で起業を目指すケースで利用できます。
対象となるのは、管理職や役員、あるいは専門的な知識を持ち、アメリカの拠点でも同等レベルの役職に就く人です。さらに、アメリカへの入国申請を行う前の3年間のうち、少なくとも1年間は米国外の企業で継続して雇用されている実績が求められます。
日本ですでに事業を展開しており、アメリカ進出を考える起業家に適したビザです。
参照元:
在日米国大使館と領事館-ビザサービス
US TravelDocs JAPAN-就労ビザ
アメリカのビザについては「アメリカビザの種類を目的別に解説!取得方法や申請面接で定番の質問も紹介」でも解説しているので、あわせて参考にしてください。
アメリカで会社設立をするときに発生する費用は、州・会社形態などによって異なります。
ここでは、アメリカで起業・会社設立をするためにかかる費用について解説します。
州への法人登記・登録費用
アメリカで会社を設立する際、州務長官へ定款を提出するにあたって手数料の支払いが必要です。
多くの場合、ビジネスを登録するための総コストは300ドル未満(登録内容によっては100ドル未満)とされていますが、正確な金額は州や会社形態によって異なります。
また、設立した州とは別の州で事業を展開するために州外法人として登録する場合にも、州ごとに異なる申請手数料がかかります。
公告費用
アメリカの州や地域によってはビジネス名の登録後やLLCの設立後に地元新聞などで新事業開始の公告を掲載する義務があり、新聞社へ支払う掲載費用が発生します。
たとえばニューヨーク州のLLC設立では、指定された新聞2紙で連続6週間にわたり設立公告を掲載する義務があります。
登録代理人の費用
アメリカでの法人登記の条件として、法的な書類を受け取るための「登録代理人」を州内に指定する義務があります。
登録代理人の役割を自身で担うのではなく、専門の代理人サービス(会計・法律事務所など)を利用するビジネスオーナーが多く、その場合は外部サービスへの委託費用がかかると想定されます。
設立後の維持にかかる費用
アメリカで起業をした際には、設立後の維持にかかる費用が発生するケースがあります。
起業に有利な州として知られるデラウェア州を例に挙げると、会社を維持するための「フランチャイズ税」として、年間最低175ドルから最高で20万ドルがかかるとされています。
代行エージェント料
アメリカで起業・会社設立を行う場合、現地の法律をしっかり理解したうえで数多くの手続きをすることになります。アメリカで起業する際にかかる多大な労力を省くために外部のエージェントサービスを利用するケースでは、代行エージェントの利用料が発生します。
アメリカで起業する人向けの代行エージェントサービスの料金は、会社を設立する州や代行する手続きの内容、オプション選択によって大きく変動します。
基本となるプラン料金の目安は3万円~7万円ほどで、サポート内容が手厚いプランの場合は10万円~40万円ほどです。また、会社設立に際して必要なオプションを加えると、費用が100万円を超えることもあるでしょう。
アメリカで起業・会社設立をする際には、以下の3点に注意する必要があります。
- 競争が激しい
- 商習慣が異なる
- 訴訟社会に備える必要がある
ここでは、これらの注意点について詳しく解説します。日本とアメリカの違いによって生まれる注意点に留意し、アメリカでの起業・会社設立を成功させましょう。
競争が激しい
アメリカで起業・会社設立をする際には、競争が激しい市場への挑戦になることを念頭に置いておきましょう。
アメリカ市場は、世界中から優秀な人材や資本、革新的なアイデアが集まるビジネスの最前線だといえます。そのため、あらゆる業界において激しい競争が繰り広げられています。
日本人がアメリカの激戦区で勝ち残るためには、市場のニーズを徹底的に分析し、必要とされているプロダクトをスピード感をもって展開していくことが必要です。
商習慣が異なる
アメリカで起業・会社設立をする際には、日本とアメリカでは商習慣に違いがあることに注意しましょう。
日本では暗黙の了解があったり信頼関係をベースに口約束で仕事が進んだりするケースもありますが、アメリカは徹底した契約社会です。すべての取引内容、責任の所在、トラブル時の対応などを書面に落とし込み、サインを交わさないかぎりビジネスは始まりません。
契約書を交わさなかった場合、トラブルの発生や信用の失墜につながるおそれがあります。
また、雇用の流動性が高いため、従業員に対するマネジメント手法も日本とは異なります。会社への忠誠心を期待するのではなく、明確な職務記述書とインセンティブで評価する必要があります。
訴訟社会に備える必要がある
アメリカで起業・会社設立をするときは、弁護士と契約するなどして訴訟社会で発生するリスクに備えることが重要です。
アメリカは世界で最も訴訟が多い訴訟大国として知られています。顧客、取引先、さらには自社の従業員からであっても、予期せぬ理由で民事訴訟を起こされるリスクがあります。
たとえば、日本ではクレーム対応や謝罪のみで解決に至るトラブルでも、アメリカでは即座に裁判に発展することがあるでしょう。場合によっては高額な賠償金の支払いを命じられる可能性もあります。
アメリカでビジネスを行うにあたって生じる訴訟リスクから会社と個人を守るためには、起業の初期段階から弁護士と顧問契約を結び、法的アドバイスや契約書のリーガルチェックなどを依頼することが重要です。顧問弁護士がいれば、万が一訴えられた場合にも迅速に対応できます。
また、一般賠償責任保険や雇用慣行賠償責任保険、労働災害補償保険、サーバー保険などの損害保険に加入することも必要です。
アメリカでの起業・会社設立は、世界最大級の経済圏と強固なスタートアップエコシステムを背景に、ビジネスをグローバル規模へ一気に引き上げる可能性を秘めています。実力次第でトップレベルを目指せる環境は、挑戦心が高い日本の起業家にとって適したフィールドです。
本記事を参考にして必要なビザの取得や設立準備を進めて、アメリカでの起業に向けて動き始めましょう。
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